辨 |
タケニグサ属 Macleaya(博落廻 bóluòhuí 屬)には、次の2種がある。
タケニグサ M. cordata (博落廻)
M. microcarpa (小果博落廻) 陝甘・湖北・河南・江蘇に分布、『中国本草図録』Ⅱ/0582 |
ケシ科 Papaveraceae(罌粟 yīngsù 科)については、ケシ科を見よ。 |
訓 |
和名の解釈に 二説がある。
一は 竹煮草。一緒に煮ると竹(筍)が柔らかくなるから(ただし、一緒に煮てみても タケノコは柔らかくならないので、俗説、という)。
二は竹似草。茎が中空で竹に似ていることから、或いは穂を出した群落の様が笹むらに似て見えることから。 |
チャンパ Champa(占婆)は、むかしインドシナ(今日のベトナム中・南部)にあった国の名。この草が外来植物と考えられて、チャンパに当てられたもの。 |
ササヤクギサ・ガラガラとは、熟した果実を振るとさらさらと音がすることから。 |
『大和本草』に、「シシヤキ草 和黃芩ト云、武藏國ニテハササヤケト云」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』13(1806)箆麻の条に、「博落回 チヤンパギク 和黄芩 タチオホバコ シゝヤキグサ瓜香草アカソニモコノ名アリ サゝヤキグサ ソゝヤキ仙台 ゴウロギ和州 ケンクハグサ ツケイシ阿州 タカトウ水戸 ウコン防州 オホカミグサ播州 ウラジロ同上 オホカメダヲシ藝州 カヂノハ紀州 カヂクサ丹後 ヲゴケゾメ」と。 |
漢名は、昔の中国の子どもの玩具「博落廻」にちなむ。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・臺灣・長江以南南嶺以北に分布。
茎葉から出る汁は有毒。 |
誌 |
中国では、タケニグサ及び M. microcarpa(小果博落廻)の全草や果実(博落廻果)を薬用にする。 『全国中草葯匯編』上/811-812 『(修訂) 中葯志』III/610-613
日本では、根を「和の黄芩(おうごん)」と呼び、黄芩に混ぜて「さしこみ」と称した。
欧米では、観賞用に植栽する。 |